CKA試験に合格しました

資格関連
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はじめに

Kubernetesの管理者向け試験であるCertified Kubernetes Administrator (CKA)を受検し、無事合格することができました。2020年に合格する目標を立てていたのですが、ずるずると引き延ばしてしまい2020年の大晦日の受験となりました。結果的に2020年の良い思い出であり、良い締めくくりとなりました。

さて、CKAについては様々な受験記が公開されており真新しさはありませんが、2020年9月に試験が改訂されたようなので、改訂版の試験を受験される方のご参考になればと思い記述します。

認定Kubernetes管理者(CKA)プログラムの変更:2020-Linux Foundation-トレーニング

※試験問題に関する内容は機密事項に該当するため記述はありません。

Linux Foundation Global Certification and Confidentiality Agreement

Linux Foundation Global Certification and Confidentiality Agreement | T&C DOCS (Candidate Facing Resources)
copyright © 2020 Version 1.0. The Linux Foundation. All rights reserved.

CKA試験概要

オープンソースのコンテナオーケストレーションツールであるKubernetesの管理者向けのスキルを問う試験です。

2020年9月に改訂された新CKA試験では、以下のスキル範囲が求められます。管理者向け試験のため、クラスタのインストールやアップグレード、問題対処といったスキルが含まれています。

対象領域とコンピテンシー 割合
クラスタのアーキテクチャ、インストール、構成 25%
ワークロードとスケジューリング 15%
サービスとネットワーク 20%
ストレージ 10%
トラブルシューティング 30%

引用元)https://training.linuxfoundation.org/ja/cka-program-changes-2020/

  • 試験時間・・・2時間
  • Kubernetesのバージョン・・・v1.19

CKAの申し込みは、Linux Foundationから行えます。CKAには、CKA-JPという試験監督が日本語で対応してくれるコースがあります(私もCKA-JPで受験しました)。

私のバックグラウンド

普段の仕事ではKubernetesに触れる機会はありませんが、過去にとあるプロジェクトでPythonからKubernetes APIを使ってクラスタの簡単な操作をするといった経験はありました。ですので、Kubernetesがどういったものかについては予備知識がありました。それ以外では、自宅のPCでDocker for MacでKubernetesを少し触るくらいのレベルです。正直Podを作成するくらいの操作しかしていませんでしたので、試験を受けると決めてから本格的に学習を始めた感じです。

受験の理由

業務で必要に迫られたからという訳ではなく、技術に関する興味からくる自発的な理由で受験しました。

目的は、どの資格試験でも共通しているかもしれませんが『体系的な知識とスキルの習得』『スキルの証明』です。なかでもCKAは実技試験のため、”なんとなく”や”勘”では太刀打ちできません。何のために、どのようなConfigurationすべきか、そしてそれが正しく行われているか、また何が間違っているか、といったことを実操作で確認できなければなりません。そういった意味では、他の知識系の資格試験とは性格が異なり、より実践的なスキルの証明につながるのではと思います(とはいえ、実際のクラスタ管理は資格試験と比べるとはるかに複雑なのだろうとは思います)。

試験対策

他の方の受験記にあるとおりで、特別変わったことはしていません。以下学習を進めた順に記述します。試験に向けて学習した時間は、人によって差があると思うので記述しませんが、UdemyのPractict Testsがパッと解答できるくらいまで練習しました。

Kubernetes完全ガイド

ひととおり読み終えました。完全ガイドというタイトルのとおり、網羅性及び内容は申し分なく、とても詳しく解説されています。Kubernetesはもとより、また周辺のエコシステムについても紹介されており大変参考になりました。

2020年8月?に第2版が出版されているようです。初版で扱っているバージョンはv1.10.5となっています。私は初版を使用しましたが、特段情報が古いといった感じはしませんでした。

Udemy – Certified Kubernetes Administrator (CKA) with Practice Tests

とても参考になりました。本コースのPractice Testsをパっと解答できるようになるまで繰り返し練習しました。全体を2周と理解が浅い箇所については、追加で練習をしました。

英語の動画教材を1周+Practice Testsを1周、Practice Testsのみを1周、理解が浅いところのPractice Testsを何回か練習、といった要領で学習を進めました。

コース単体はそれなりの受講料なのですが、定期的にSALEをしているようで、私もSALEのタイミングで申し込みをしました。

Kubernetes the hard way with vagrant

Kubernetes the hard wayのVagrant版です。スクリプトを実行していくとクラスタを構築できます。コンポーネントの関連性を理解するのに役立った気がします。

GitHub - kenfdev/kubernetes-the-hard-way-vagrant: Study kubernetes the hard way with vagrant.
Study kubernetes the hard way with vagrant. Contribute to kenfdev/kubernetes-the-hard-way-vagrant development by creatin...

上記のリポジトリではクラスタのバージョンがやや古かったので、試験と同じv1.19に修正して進めました。v1.19にする事で上手く動かない部分があり対処していくなかでより理解が深まった気がします。kubeadmを使うと楽に構築できるありがたさが分かります。

CKAD-exercises

GitHub - dgkanatsios/CKAD-exercises: A set of exercises to prepare for Certified Kubernetes Application Developer exam by Cloud Native Computing Foundation
A set of exercises to prepare for Certified Kubernetes Application Developer exam by Cloud Native Computing Foundation -...

こちらは試験前日に1周しました。UdemyのPractice Testsにでてくる操作と重複しているところもあるので、ざっと流しました。こんな操作方法もあるのか、といった発見はあったので試験で活用したか否かに関わらずやっておいて良かったです(続いてCKADも受ける予定なので)。

受験環境

受験端末

Windows10のノートPCです。CPUはCorei5、メモリは8Gです。カメラは、ノートPCに内蔵のものです。特に問題はありませんでした。

受験場所

私はレンタルスペースを借りました。大晦日に小規模な会議室で一人ポツンと受験しました。WiFi環境が不安だったのですが、特に問題なかったです。試験中に切れることもありませんでした。私は特に確認もせず大丈夫だろうと楽観的でしたが、心配な場合は事前にしっかり確認した方が良いと思います。試験環境の接続性や操作性については、UdemyのPractice Testsの環境よりサクサク動いた気がします。

時間

受験前に身分証明書や試験場所のカメラ確認などがあり、20分強くらいはかかった気がします。レンタルスペースを借りる場合は、前後の時間を考慮しておいた方が安全です。別の予約が入っていて延長できないといった焦りや心配がないので。

受験の流れ

試験予約

My Portalから試験予約をします。私は、大晦日12/31の12:00〜14:00で申し込みました。季節が冬で寒かったので、できるだけ早朝と夕方の冷えこみそうな時間帯を外しました。

試験ポータルから試験へ

15分前になるとMy PortalからTake Examのボタンが有効になり押せるようになりました。しばらくするとチャットで指示が飛んできます。

本人確認など

私は運転免許証とクレジットカードを提示しました。最初に運転免許証を見せ、セカンダリIDはあるか?と聞かれたのでクレジットカードを見せました。その後、室内の様子をカメラで映しました。ノートPCの内蔵カメラを使っていたので、カメラによる室内確認はやややりづらかったです。外付けのWebカメラがあれば良かったかもしれません。

CKA-JPで申し込んだので、試験監督は日本語を使用されていました。試験開始直前以降くらいから英語でのチャットとなりましたが、優しい内容のため理解できました。こちらからはokとかyesを答えるくらいです。

Chromeブラウザ以外のアプリケーションは閉じられるように指示されます。タスクマネージャでの確認もあります。また、ブラウザのタブは試験サイトとDocsのみ開くことが可能です。

と、開始までに色々と確認していると20分強くらいは経っていました。

試験本番

試験開始直後は初めての画面操作のため少し焦りましたが、落ち着いて読み進んでいけば操作に慣れてきます。焦らず進めることが大切です。問題数は20問弱くらいです。

途中ターミナルで応答がかえってこない?と思った場面がありましたが、Ctrl-Cで操作を中断し事なきをえました。チャットで英語で会話しましたが、”続けてくれ”、となり気を取り直し別のタスクの解答へ進みました。

キーボード操作、特にコピー&ペーストはCtrl-C、Ctrl-Vでないので気をつけます。マウスの右クリックによるコピー&ペーストは可能でした。

言語の選択

言語は日本語が選択できますが、内容がいまいち読みとりづらかったので結局英語にきり替えて進めていきました。UdemyのCKAコースで慣れていたので、問題文を理解できないことはなかったです。

難易度

全く手がでないという問題はありませんでしたが、序盤で1つの設問で求められる指示が多いものに遭遇したためか、焦ってしまいました、このペースで続くのかと。。しかし、なかには簡単ですぐに解答できる問題もあるため、難しい問題で悩みすぎず簡単な問題を着実に解答していくのが焦らず良いかもしれません。時間は、操作に慣れていないと足りなくなるかもしれません。私の場合は、その場でDocsをゆっくり読んでいる余裕はなかったです。

Docs参照について、ブックマーク集を用意していましたが、結局kubernetes.ioで検索してました。学習中に検索で表示されるタイトルをなんとなく覚えていたので、焦って目的のコンテンツを探し回るということはなかったです。

合否の連絡

36時間以内に合否がメールで知らされることとなっています。私の場合は、34時間くらいで連絡が来ました。連絡が来るまでは気になってなかなか落ち着かなかったです。

試験を終えて

2021年、良いスタートをきることができました。

CKAの試験勉強の過程で、体系的な知識を得ることができたことが良かったです。クラスタに関して簡単な操作はできるようになった気がしますし、クラスタのアーキテクチャについても概要を理解できたと思います。また、試験については実技試験であったため少し自信がつきました。総合して受験して良かったと思っています。

これでようやくスタートラインに立てたと思いますので、今後さらに研鑽をつみ、実践スキルを強化していきたいと思います。

参考/お世話になったリンク

学習や試験に際しては、以下の受験記を参考にさせていただきました。感謝です。なるべく直近で受験された方の受験記を参考にさせていただきました。事前に雰囲気を知ることで、試験で大きく焦らずにすみました。

  • https://qiita.com/mochizuki875/items/a77d5c495d2fb99bd2f9
  • https://www.kimullaa.com/entry/2020/03/27/082156
  • https://www.ubsecure.jp/blog/20200924

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