『おもちゃの病院』というものがある。
おもちゃの病院は,壊れたおもちゃを原則無料で修理してくれるボランティアグループで,全国各地でおもちゃ病院活動が展開されているようだ(治療に際し部品が必要となる場合は,部品代などの費用は有料となる)。
何回かおもちゃの修理を依頼したことがあったが,だいたいのおもちゃも治療すると元気になって帰ってくる(と言っても僕の出したおもちゃの壊れ具合が軽微だったのかもしれない)。おもちゃを治療してくれる方は”おもちゃドクタ”ーと呼ばれ,僕の地域では主におじいちゃんばかりだけど経験も豊富で頼もしい集団だ。簡単なものであれば,その場で診断して治療してくれるが,やや症状が重そうであれば,一時入院となり後日退院となる。
今回,難しいかなあと思われる説明書もないおもちゃを持っていった(と言っても大体説明書は持って行ってない気がする)。その場で多少分解をして症状を見てくれるが,今回はやや重そうだ。説明書もないのにいきなり分解して大丈夫だろうか・・・。と思いながらも,とりあえず入院が必要ということで一旦預けて迎えに行くことになった。
退院日を迎え,おもちゃを迎えに行った。「治ったのだろうか・・・」と恐る恐る修理の引き換え券を持っておもちゃを受け取りに部屋に入った。ドクターおじいちゃん(Dr)が生き生きと忙しそうにしている。「僕:あの,すみませんこれなんですが・・」,修理券を渡したところ,「Dr:あぁ,これね」とおもちゃを取り出してきてくれ,「僕:治りましたかね??」と尋ねたところ,「Dr:どう?」おもちゃのスイッチを入れて動かして見てくれた。「僕:おぉ!!」ちゃんと元気に動いているおもちゃを見て僕は思わず声を発した。確かにウィーンとちゃんと動いている!(しかし,実はおもちゃは頂いたもので,僕はそのおもちゃの初期状態を知らなかったりする)感謝感謝である。
僕は,色んなタイプのおもちゃが持ち込まれるし,何でも修理できるなんて元々職人さんなのかと思って,
僕:「皆さんすごいですね,メカニクスとかエンジニアの方ですか??」
と尋ねたところ,
Dr:「もう16年くらいやってっからねぇ」
とやや期待した回答とは異なっていたが教えていただいた。ふむふむ,経験が長いので色んなおもちゃを見ているということなんだな。さらに続けて,
僕:「そうなんですね,すごいですね。どんなおもちゃでもいけるんですか?」
Dr:「あぁ,おとなのおもちゃ以外ならいけるよ!」
なるほど。笑顔いっぱいの生き生きとしているドクターおじいちゃん,まだまだ頑張れそうだ。
物が溢れるこの時代でこそ,物を大事にする大切さを子供には学んでいって欲しい。
ドクターおじいちゃん,これからも子供(大人も)の笑顔のために,頑張って欲しい。
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