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「アマゾンの最強の働き方」を読んだ

書店で見かけ気になったので購入して読んだ。数々のイノベーションを起こしてきたアマゾンではどのような働き方を実践しているのか、自分の職場や働き方をアップデートするヒントを得たい、というのが本書に向き合うモチベーションだ。

アマゾンといえば、「地球上で最もお客様を大切にする企業になる」という企業理念で知られている。多くの企業がマインド・アイデンディティである『企業理念』なるものを掲げているが、なかなか組織の活動や意思決定プロセスの細部まで、組織メンバーの大勢が徹底して実践できている企業は多くはないのではなかろうか。本書を読んで強く印象に残ったのは、理念を具体化した行動規範である「リーダーシップ・プリンシパル」があらゆる仕事とプロセスで実践されている、ということだ。バリューとも言えるだろうか。これは、一朝一夕で成されるものでなく、長い年月をかけて築き上げられるものである。こうして積みあげられた組織カルチャーが模倣困難性を高め、持続的な優位性の獲得につながっているのだと感じる。もちろん、AWSのような巨大なクラウドコンピューティングサービスを実現する技術もとんでもなくすごい。

本書では、現在アマゾンで展開されている、または、立ち上がったものの軌道にのることができなかった事業やサービスについて、実際に立ち上げに関わった著者の視点で当時の状況が説明されている。意思決定のプロセス、失敗に学ぶ姿勢など、まさにリーダーシップ・プリンシパルが実践されている様を感じとることができる。徹底的なこだわり、顧客志向の考え方など、学ベることが多い。

本書の中で、私が仕事の中ですぐに実践していきたいコミュニケーション手法の1つにナラティブ形式による資料というものがあった。1つは、有名な6ページ資料、もう1つは顧客ニーズを起点として新商品開発を行うワーキング・バックワーズである。いずれの手法も、練りに練られた思考を凝集し言語化したアウトプットの塊が成果物である。パワーポイントのような資料は一本道でストーリーを語るには適しているかもしれないが、深い思考を伴う検討が必要なプロセスにおいてはナラティブ形式が適しているというものらしい。このナラティブ形式のアイデア元は、イエール大学エドワード・タフテ教授の論文と記されている。私も企画でアイデア出しに関わることがある。パワーポイントのようなストーリーを語る形式とナラティブ形式を状況に合わせて使い分けていきたい。

 

開発業務から企画開発業務になる

最近は企画開発業務に携わるようになった。今まで、現場でインフラやアプリケーション開発エンジニアとして過ごしてきたので、慣れない業務にシフトしてあたふたしている。年齢的には良いチャレンジのタイミングでもある。重要なのは、自分の意志でやりたいこと、である。

期待されていることの最終的なゴールのイメージはついているが、グループメンバと同じ方向を向いて、同じ目線で深堀りしながら議論や検討を重ねていくには、私自身のスキル不足を感じる。コミュニケーション、ファシリテーション、良い問立て、課題設定、仮説構築、いろいろ。プロセスやアウトプットの基準を整えてレールを敷かなれば、なかなか前に進みづらい。決済権を有する関係者とのしっかりとした対話も必要だ。

進め方を試行錯誤しているが、やり方の見直しが必要だ。先人の知見とノウハウに学ぼう。

インプットした書籍

とても分かりやすい。アイデア発想法から事業計画作成までの流れが網羅されている。流れや各フェーズでのアウトプットもイメージがつきやすい。事業計画書のテンプレもついているので、状況に合わせてカスタマイズしていけるだろう。ビジネスモデルキャンバスについても説明がある。アイデア発想のためのフレームワークなどを重視したい場合は、別の書籍にもあたるのが良いと感じた。

シンプルでとても分かりやすい。企画の前の段階で確認しておくべきことについても触れられている。特に社内で企画に関わる人にとっては重要なポイントだと思う。また、アイデア発想のための思考フレームワークや効果についても整理されていて、こんな切り口で考えを整理したいときにどの考え方が使えるだろう?、といったニーズにマッチするだろう。思考の切り口に悩んでいる人には有用だと感じた。事業計画や計画書に網羅すべき点の詳細を知りたい場合は、別の書籍にもあたるのが良いと感じた。

こちらはフレームワークを中心に知りたい人向け。フレームワークの種類をたくさん説明しているというより、フレームワークのタイプを体系化して説明してくれている感じである。フレームワークに沿うと思考が整理しやすくなる。ただ、フレームワークの型に沿って必要な項目を埋めていけば、良い分析ができるかというとそうはならない。フレームワークはあくまで思考を整理しやすくするためのツール。フレームワークの背景にある考え方や有用なケースを知っていれば、うまくツールを使いこなせる。今まで、背景にある考え方を説明している書はあまり見てこなかったので、本書は大変参考になった。フレームワークのタイプを体系化しているので、フレームワークを組み合わせたり、自身で応用したりもできるだろう。

世の中のビジネスモデルを知るのに良い。普段目にしているサービスや事業がどんなビジネスモデルになっているのか俯瞰できる。本書では、戦略モデルキャンバスというフレームワークが紹介されている。ビジネスモデルキャンバスに、コンテキストという要素が追加されている。コンテキストには、ビジネスモデルが成立するための妥当性と正当性を書く、となっている。モデル成功の前提を書く、というものであり思考を整理しやすくなっている。

「ビジネスデザインのための行動経済学ノート」を読んだ

技術以外のインプット。

人の行動原理を知り、よりよい選択や行動を実践するためのヒントを得たい、という動機から「行動経済学」に関する書籍を探索していたところ、イラストが多く学びやすそうであった本書を手にとり読んでみました。結論から言って、技術中心で心理学や経済学にあまり馴染みのなかった私にとってはすごく分かりすく、非常に為になった難解であろう言葉を分かりやすく説明してくれており、人の心理や行動原理から、どのように考えればよいかのヒントを「活用方法」としてまとめてくれています

本書は、メディアプラットフォームのnoteでUXデザイナーのジマタロ氏が連載していた記事をわかりやすく再構成したものらしいです。note公式アカウントで紹介されているので以下にリンクを掲載しておきます。

https://note.com/info/n/n5df965318ae2

さて、人はどのようにして意思決定を行なっているのでしょうか?

「よく考えた上で判断した(ほんとうに?何かに影響受けてない?)」「お得な買い物をしたなあ(お得にみえてるだけでは?)」「こうすることが相手にとってベストだ(自分の思い込みでは?)」、など冷静になってよくよく考えてみると、何でその時はそう考え行動したのだろうか、という経験が誰しもあるのではないでしょうか。人間は合理的なようで、非合理な行動をとってしまうもの。行動経済学の立脚点はそこにあるようです。人は環境や感情に影響を受けるものなのだと。なるほど。

例えば、ある商品があったとして500円で売られていたものが特価で280円になった場合はお得な感じがしますが、300円が280円になってもあまりお得な感じがしません。それぞれ基準(アンカー)となる価格が500円、300円となり、基準値からの振れ幅で考えてしまうためです。これは、アンカリング効果と呼ばれるそうです。また、特に先に入ってくる情報に影響を受けてしまい、アンカーと一致するようなイメージを想起することをプライミング効果と呼ぶそうです。美味しそうな食べ物を見た後に「ケー○」という表示を見て「ケース」でなく「ケーキ」を想起してしまうのはプライミングによるものと言えます。私たちの思考や行動が、思ってもいないようで実はその時々の状況に影響を受けてしまっている、ということです。あまり意識したことはなかったけれど、なるほど、納得できます。アンカリングやプライミングの効果を活用する方法としては、順番を意識する、ということ。料金や資料など、xxの順で見せる、と言った具合に。

他にも、ユーザーが行動を移すときに後押しをうながすための実践的なテクニック(ナッジ)など、サービスや企画を考える人やデザインする人にとっては参考になる情報が詰まってます。

私は本書を読み行動経済学に強く関心をひかれ、その後すぐに熱の冷めないまま以下2つの書籍も気になり購入し一気に読みました。上の「ファスト&スロー」は著名な本ですがやや学術的、下の「ケースメソッドMBA 行動経済学」はどちらかと言うとビジネスよりで実践的でしょうか。

ファスト&スロー

 

こちらは有名な本で、「プロスペクト理論」で知られるノーベル経済学賞を受賞されたダニエル・カーネマン著の書籍です。文庫本タイプで上・下巻あります。理論の背景や歴史、心理学実験の内容や結果についての考察など、より深い洞察を得たい方には本書がおすすめです。Amazonで注文したところ、届いた書の帯に「東大でいちばん読まれた本 東大生協本郷書籍部2014年9/1〜30文庫ランキング1位」と書かれておりました。書店で見かけたら、システム1(速い思考=直感)が大いに働くであろうキャッチコピーであることは間違いありませんね 笑。

システム1:早い思考、直感、コントロールしている感覚がない
システム2:じっくり考える思考、複雑な計算など頭を使う

ケースメソッドMBA 行動経済学

 

名古屋商科大学ビジネススクールの社会人受講生を対象とした行動経済学の授業の一部の記録をもとに加筆・再構成をした書籍となっています。

講義の様子が伝わるような体で書かれていて読みやすいです。講義の白熱している雰囲気、臨場感が伝わってきます。理論を現実のケースをもとに考察しているところがイメージがつきやすく分かりやすいのではないでしょうか。討議のなかでの生徒の様々な視点からの考え方にもふれることができ、なるほどそういう考え方もあるなと学びがあります。